音声作品制作・裏話

【体験談】初心者が同人音声を初めて制作してみた感想と失敗談

この記事では、同人音声サークル「イタズラ屋」が初心者としてゼロから同人音声作品を制作してみた体験談を紹介します。

  • 同人音声作品を制作してみたい
  • なにから手を付けたらいいかわからない
  • 制作の裏側が気になる方

そんな方々に向けての記事となっております。

これから同人音声を作ってみたい方、制作費用や作り方の流れが気になる方、ぜひ参考にしてください。

※この記事はあくまで『私が感じた事』なのでご了承頂ければと思います。

同人音声を制作してみたい初心者へ

この記事を読んでくださっているということは、同人音声作品を聞くだけでなく、
いつか自分でも制作してみたい!そんな初心者の方ではないでしょうか。

自分の好きなシチュエーションで多くのリスナーさんを喜ばせて、
あわよくば同人音声で少しでも収益を得たい・・・そう考えるのは私も同じでした。

でも実際にゼロから同人音声を制作してみると、
理想と現実はまったく違いました。

  • 「もっと爆売れして儲かる予定だった」
  • 「もっと短い期間でバンバン制作できると思ってた」
  • 「売上〇〇万円だけど実際手元に残るのはコレだけ?」

そんな現実を、これから音声作品の制作を楽しみにされているあなたに失敗談や費用の話を交えながらお伝えします。
この記事を読むことで、同人音声制作で初心者がつまずきやすいポイントや実際にかかったコスト、続けるコツなどが分かるはずです。

初心者が勘違いしやすい同人音声制作の”3つの落とし穴”

ここでは私が初心者として実際に同人音声を制作する前に思い込んでいた3つのことを紹介します。

1.お金をかければ売れると思っていた

私は当初、”同人音声は作れば売れる“と安易に想像していました。

既に同人音声を制作されている方なら分かると思うのですが、実際は自分の好きなシチュエーションで作っただけでは売れません。

勘違いしていた当時の私は、『シナリオ、声優、パッケージイラスト、パッケージロゴ』の全てを”なんとなく”で複数依頼して制作し、全く売れずに約60万円程の赤字を生みました。

今だからこそ冷静に分かる話ですが、当時の私は完全に盲目でした。

自分が音声作品を購入する際でも、何でもかんでも購入するわけではなく、”性癖やその時の気分に突き刺さった作品を選ぶ“はずです。

2.R18なら何でもヒットすると思っていた

全年齢は競合他サークルが多く、難しそうだけどR18なら廃れる事なくコンスタントに売れ続けるのでは?とタカをくくってました。

実際は競合たる有名サークルや上手に企画を立て売り上げを伸ばしてるサークルまで数多く、作品を出展しても多くの作品の海に埋もれてしまってるような印象でした。

3.同人音声作品は競合が少ないと思っていた

当初はAIイラストを作成し、FANZAにて出展し小銭を稼いでおりましたが、競合他サークルが年々増加傾向にあるのかイラスト出展から受理されて販売開始になるまでの期間が延びに延びてしまっておりました。

最初のころは”3~4日で販売開始出来ていたのが最近では2週間以上の期間”が必要になってしまっています。

そこで思いついたのが”同人音声作品“でした。

音声作品であれば、AIイラストのように単純ではなく各クリエイターさんの力が必要になるため参入障壁が高いと思ったのです。

しかし、実際はそんなこともなく数多くのサークルさんが作品を出展しており、レベルの高さを日々痛感しております。

まとめ / 同人音声制作の3つの落とし穴

こうしてみると、同人音声制作は「作れば売れる」「R18ならなんでもヒット」「競合が少ない」という初心者特有の甘い見通しが通用しない世界だと痛感しました。

同人音声制作で初心者が直面した”4つの壁”

ここでは私が初心者として実際に同人音声を制作した際に直面した4つの壁を紹介します。

1.声優費用以外にも発生する見えないコスト

初心者の私は、同人音声を制作する際に一番費用が掛かるのは声優さんだろうと大雑把に考えておりました。それもざっくりと2~3万円くらいだろうと思っていたのですが予想は大きく外れました。

実際は次のクリエイターさん達が必要になります。

  • 声優:一文字3~5円
  • イラストレーター:キャラ全身30,000円~
  • シナリオライター:一文字1~3円
  • ロゴクリエーター:5,000~20,000円
  • 音編集者:5,000~20,000円

イメージですが、30分の音声作品を制作しようとすると合計約4~7万円のコストです。
同人音声制作の詳しい費用の内訳についてはこちらの記事でまとめています。

2.完成までが長くモチベが維持しにくい

初心者である私は音声作品はクリエイターさんへの発注~完成までの期間が1カ月以内のイメージでした。
実はこれは大間違いです・・・。

実際は1カ月~3カ月となかなかに幅広いです。

  • 声優:2週間~1カ月以上
  • イラストレーター:1カ月~3カ月以上
  • シナリオライター:1カ月~2カ月
  • ロゴクリエーター:2週間~1カ月
  • 音編集者:1週間~3週間

これはあくまで私の単なるイメージなので、実際はクリエイターさんによって全然変わってきます。

費用を上乗せして納期短縮して頂く等いろいろな方法がありますが、最低でも同人音声が完成するまでに2カ月以上かかることを意識しなくてはいけません。

私の場合ですが、これはなかなかモチベーションが維持しづらい部分です。
何せ1つの作品を制作してる間に他の作品を作りたくなってしまいますからね・・・。

3.パッケージデザインで販売数が変わる

主にDLsiteでいろいろと検証してみたのですが、やはりパッケージイラストがAIか絵師さんかでだいぶ売上に差が出てきます
もちろんAIイラストで成功されてる方はいますが・・・。

また、クリエイターさんの中でも”AIイラストを利用するサークルの仕事は受けないといった方”もよく見かけます。
やはりAIイラスト等はコストや納期は短縮できますが、そういった部分に難があるように感じました。

そして、イラストと一緒に載せるタイトルロゴ等もプロのデザイナーさんにお願いした方が見栄えが段違いになります。

こうして見栄えにこだわっていくと、段々と費用がかさみ、納期が延びてしまう事となります

※人気の絵師さんであればあるほど人目を惹く事は確実ですが、費用や納期等は覚悟が必要です。

4.SNS宣伝の難しさ(規制も多い)

SNSは主にXを利用すると思うのですが、R18だと特にですが規制がかかる可能性があります。

クリエイターさんの中でもメインの垢と宣伝用の垢を分けてる方も多いように感じます。

過度な露出やR18要素が強いとシャドウバンされる可能性もあるので注意が必要です。

イタズラ屋としてもXアカウントを持っているのですが、うちではアカウントはメイン1つだけです。
(“複数垢はめんどくさい”が一番の理由にあたります。)

初心者が同人音声作品を制作する上で”気を付けるべき3点”

ここでは私が初心者として、同人音声を制作するにあたっての注意点を紹介していきます。

1.制作費用の相場と黒字化までの目安

1つ同人音声(R18)の制作費用例を挙げるので、相場感をイメージして頂ければと思います。

60分の同人音声(シチュエーションボイス)作品を作る場合。

  • 作品尺:約60分前後
  • 台詞量:約12,000文字
  • ジャンル:R18・背徳系
  • パッケージ(イラスト+ロゴ)、編集、素材などを含む一般的な構成

シナリオライター:1文字2円×12,000字=24,000円
声優:1文字4円(R18)×12,000字=48,000円
イラストレーター:キャラ1体全身(R18)=30,000円
ロゴクリエーター:メインロゴ+飾り文字等=15,000円
音編集:ノイズ除去、整音、SE編集等=15,000円
総合計:132,000円

こちらの数字をどのように感じましたか?
高い?安い?
人によって感覚は違うと思うのですが、この金額を超えなければ赤字という事になります。

同人音声制作の各クリエイターさんの細かい相場と内訳についてはこちらの記事もご覧ください。

2.DLsite・FANZAで販売する場合の”手数料と注意点”

同人音声作品と言えば「DLsite」や「FANZA」等のプラットフォームを利用される方が多いと思います。

上記で制作した原価132,000円の音声作品を黒字化させるシミュレーションをします。
プラットフォーム側の手数料を甘く見ていると痛い目を見てしまいますので・・・。

販売価格:300円で設定
細かい事は省きますが、DLsiteやFANZA等の販売プラットフォームでは販売価格の約50%が手数料となります。(販売価格によって手数料率が変わります)

つまり原価132,000円の元を取るためには約2倍の264,000円以上販売する必要があります。
264,000÷300=880

よって音声作品が300円場合880件以上販売しないといけません

なかなか大変な作業だという事がなんとなくでもお分かりいただけたと思います。

DLsite公式の同人音声作品の販売手数料が気になる方はこちらからどうぞ!

3.数字では分からない売れ筋要素と初心者が挑戦する価値

ここまで制作費や販売本数など、同人音声の現実的な数字を色々とお伝えしてきました。

ただ実際に販売してみると、必ずしもコストをかけたから売れる、
安く作ったから売れないという単純な話ではありません

私自身も「これは手応えあり!」と思って作った作品が全然伸びなかったり、
逆にシンプルでコストを抑えた作品がリピーターに繋がって、
思った以上に長く売れ続けたりと数字や理屈では計れない部分をたくさん経験してきました。

だからこそ、初心者の方も最初から完璧を求めすぎず、
まずはひとつ作ってリリースしてみることをおすすめします。

まずは一歩踏み出して、自分だけの同人音声作品を作ってみてください。

きっとそこから、思わぬ反響や次の作品へ繋がる楽しさが待っているはずです。

まとめ|初心者でも同人音声制作に挑戦する価値

ここまで初心者が同人音声を制作する上でのリアルな数字や注意点をお伝えしてきました。

・制作費用は想像以上にかかること
・販売プラットフォームの手数料を甘く見ないこと
・数字では計れないヒット要素があること


こういった点を少しでも頭に置いておくだけで、
最初の一作を作る時の失敗リスクはグッと減らせるはずです。

数字だけ見ると大変そうに感じるかもしれませんが、
自分だけの作品を作り上げて誰かに届ける楽しさは格別です。

ぜひこの記事を参考に、あなたも一歩踏み出してみてください。

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